これからカメラを始めよう!とした時に、ちょっと調べると必ず出てくるのが「センサーサイズ」という単語。
なんとなく
今日の記事ではそんなお話を少し。写真の画質を決める大きな要素、「センサーサイズ」について触れて行きたいと思います。
少し難しい話なんだけど、精一杯かみ砕いて説明しようと思うから。よろしくね。
そもそもカメラのセンサーってなに?
センサーサイズの話の前に、センサーってなんだ?というところから。
一言で言ってしまえば写真を写すための板。
この板が光を受け止める事で色を記憶して、画像に変換するわけ。
センサーはデジタルカメラにとってのフィルム
1980年代以前に生まれた方は、フィルムカメラにも馴染みがあるかと思います。そうでなくても最近は写ルンですとかフィルムカメラとか流行ってますよね。
そんなフィルムカメラの「フィルム」にあたる部分がセンサーなのです。
フィルムの様に使い切りではなく、何度でも繰り返し記録し、繰り返し写真を焼くことが出来るパーツ。それがセンサーなわけです。
センサーサイズの規格
ようやく本題なんだけど、このセンサーというものはカメラによってサイズがそれぞれ違います。
いくつかの規格に分けられていて、それぞれの名称は以下の通り。
- 1/3
- 1/2.3
- 1インチ
- マイクロフォーサーズ
- APS-C (Canon)
- APS-C
- 35mm判フルサイズ
- デジタル中判
他にもあるけど大体こんな感じです。
さっきも言った通りでセンサーは光を受け止めて色を記憶する場所。
大きければ大きいほど、たくさんの光を受け止めて、たくさんの色情報を記憶できる訳なんです。
つまりまとめるとこういう事。
ここからはそれぞれのセンサーの詳細を説明していこうと思います。
1/3
一昔前のスマホだとか、iPhone6sやiPhone7なんかもこのセンサーサイズとされています。
iPhoneなんかは撮った後の画像処理が優秀で、センサーサイズからは想像できない素晴らしい写真が撮れちゃうけど。
まぁなんにせよこんなサイズな訳です。めっちゃ小さい。
1/2.3
多くの一般的なコンデジや、最近のスマホに搭載されている画像センサーがこのサイズ。
これを見て分かる通りですが、最近のスマホのカメラって、一般的なコンデジの性能に追いついてるんですよね。
一億総カメラの時代が来てしまっている。
なので最近ではコンデジ業界を撤退するメーカーも出てくるほど。
ちょっと安めのコンデジを買うくらいなら、今の手持ちのスマホで撮った方が(後処理も上手なので)キレイに写ったりしますもんね。
1インチ
いわゆる一般的な高級コンデジに搭載されるセンサー。
ド定番の有名どころだと、SONYのRX100シリーズなんかはこの1インチセンサーを搭載してます。
センサーが小さい分ボディもコンパクトに抑えられるにも関わらず、画質もスマホと比べると向上が見込める。
普段カメラを持たない人でもギリギリ持ち運べそうなサイズで、スマホよりも綺麗な写真が撮りたい。
そう言った、いいとこ取りのカメラに多く使われるセンサーサイズがこれです。
その内1インチセンサー搭載のスマホとか出るのかなぁ。レンズもでかくなりそうだけど。
マイクロフォーサーズ
スマホや高級コンデジよりもう一回り大きいサイズのセンサー。フォーとサーズで4/3インチサイズのセンサー。だからマイクロフォーサーズ。
このセンサーサイズからコンデジではなくレンズ交換式のカメラ(ミラーレスや一眼レフ)が主流になってきます。一般的なレンズ交換式の中ではサイズの小さいセンサーになるのですが、パナソニック(LUMIX)とオリンパスがこの規格のセンサーを利用しており、お互いのボディにお互いのレンズを付けることができます。
メーカー間で共通のレンズを使えるのって実は珍しくて、ほんとレンズ沼にハマりやすくて良いマウントだと思います。
APS-C
多くの一眼レフ、ミラーレス一眼に搭載されているのがこのセンサーサイズのもの。
コンデジの上位機種でもAPS-Cセンサーを搭載したものが出てきており、高画質な写真を撮りたいならばAPS-Cセンサーを選んでおけば間違いないくらいになってます。
解像感(写真の精細さ)ではフルサイズセンサーには劣るものの、必要十分にきめ細やかで鮮やかな写真を堪能できます。
このセンサーサイズはボディとのバランスを考えてもちょうど良いサイズで、FUJIFILMのXシリーズなんかは最初からAPS-C専用設計で作られてます。
CanonのAPS-Cは少しだけ小さい
同じAPS-Cと呼ばれる規格のセンサーでも、なぜか一回り小さいのがCanonのセンサー。
その昔Canonが最初にデジタルカメラ用のセンサーを作って、後から追いかけるように他メーカーがセンサーを作ったら、ほんの少し差が出来ちゃったてへぺろ
って事みたいです。
(35mm判)フルサイズ
なぜ35mm判の事をフルサイズって言うのかと言うと、フィルム時代の一般的なサイズがこの35mm判だったから。
なので今でも一つの指標となっており、いずれこのサイトでもお話する事になる焦点距離なんかでも、「フルサイズ換算」だとか「35mm判換算」なんてキーワードが出てきます。
で、ここが一つの基準値だからって一般的に普及しているかと言うとそんな事は無く、フルサイズセンサーを搭載したカメラは、安いものでもボディだけで10万以上はします。
ただし、プロであればほとんどのユーザーがこのクラスのカメラを使っているし、ハイアマチュアでも持っている人は多いと言えるくらい、手の届く世界になってきたのも事実。
「いつかはフルサイズ」なんて昔から言われてきましたが、今では割と早い段階で手を伸ばせてしまうやつです。
僕自身、いろんなカメラを使ってきたのですが、APS-Cでもほとんどのシーンで通用します。ただ、夜景や星空などの暗所での撮影や、明暗差が激しいシーンなどの特別なシーンではフルサイズの方が安心して撮影に臨む事ができます。
そういった意味でもあらゆる撮影環境に対応できるラインとしてフルサイズを選ぶのはアリな選択じゃないでしょうか。
中判デジタル
むっちゃくちゃ大きいセンサー。このクラスのセンサーを搭載しているデジタルカメラはそうありません。
ハッセルブラッドのH6D-400c MS(約620万円)、もしくは同じくハッセルのX1D-50c(約110万)、最も手頃なところでFUJIFILMのGFX 50S(約70万円!)と言ったところでしょうか。(安いのでみんなFUJIFILM買おう)
もちろん、プロでもなかなか使う様なものではなく、一部の愛好家が好んで買う嗜好品レベル。つまり必要十分以上のセンサー。
センサーが大きいとレンズも大きくなるので、重くなります。そして高くなります。
センサーサイズの違いと、メリット・デメリット
こうしてみると一目瞭然と言って良いほど、センサーサイズは違います。
もう一度さっきの図を見てください。アイキャッチも合わせると3度目の登場です。大事な事なので3回言いました。
さすがに実寸の画像ではありませんが、それぞれのセンサーサイズの比率は実際と同じものに調整してあります。
一般的な一眼レフやミラーレスの最高峰がフルサイズセンサーで水色の部分。そしてちょっと前までのスマホのセンサーが黒色の部分。
これだけセンサーサイズの差が大きいと、一体何が違うのって話ですよね。
センサーサイズが大きい方が、画質はより鮮明になる
「センサーサイズが大きい方が良い写真が撮れる。」
なんて言うと、良い写真とは戦争が始まってしまうので明言はできませんが、少なくとも精細な写真は撮れます。
上でも書いた通り、センサーは情報を記憶するパーツ。そのセンサーが大きい分、記憶できる情報が多くなる。
情報量が多い分、細かく精細な写真が作れるって。なんかそんな感じ。
センサーが大きい事でノイズも出にくくなり、夜間の撮影にも強くなるし、まぁいい事ばっかりですよね。
センサーサイズが大きくなると、カメラ本体も大きくなる
メリットばかりの大きなセンサーですが、そんな都合よくは行きません。
記憶できる情報が多くなると処理する情報も多くなるし、さらに物理的にセンサーが大きいので、必然的にボディが大きくなる。
たまに例外もあるのですが、フルサイズセンサーのカメラなんてものは、まずポケットに入るサイズには収まらないんです。
ついでに言ってしまうとお値段も跳ね上がる。
一般的なコンデジなら5万もあればそこそこのものが買えるし、APS-Cセンサーのカメラだってボディとレンズで10万円前後で買えなくもない。
ところがフルサイズセンサー搭載のカメラとなると、一世代くらいの型落ちでもボディのみで15万円前後はします。レンズは別売なので何も撮れません。
何が撮りたいかで、選ぶセンサーも変わる
以前、デジタルカメラの種類とメリット・デメリットについて書いた記事の中で「これを選べば正解と言うカメラはない」という話をしました。
センサーについても同様で「このセンサーのカメラなら絶対にOK」と言うものはないんですよ。
カメラっていろんな要素があって、たくさんの要素を複合的に見た時に、ほしいカメラが見えてくると思うんです。
どうしても高精細でキレッキレ、緻密な描写を楽しみたいのであれば最低でもAPS-Cクラスのセンサーをオススメします。あとは星を撮りたいとかの場合もやっぱりAPS-C以上の方が良いと思う。
逆に「画質は最低限担保できれば良いので、携帯性を重視したい」というのであれば、1型やマイクロフォーサーズのカメラも視野に入ってきます。
どこまでの画質を求めて、どこまでの重さ、サイズを許容できるかって話ですね。
デジタルカメラの選び方については、これからも少しずつ更新して行きます。
目次になる記事を準備してありますので、気になる方はそちらも参考にして見てくださいね。
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