こんにちは。しむ(@46sym)です。
タイトルに書いてある通りですが、最高のレンズの一本としていた「Distagon T* 1.4/35 ZM」を手放しました。
以前から絶賛しているレンズで、本当に最高峰の一本だと今でも感じています。
これらの記事に書いている通り、35mm単焦点レンズとしてはこれを超えるレンズはもうないんじゃないかって。それくらいお気に入りの、手放すなんて考えられない様なレンズ。
機材の入れ替えが激しい事もあって普段は手放す理由なんて書かないのですが、なぜこのレンズを手放す事を決めたのか。
今まで撮った写真を振り返りながら、少しお話させてください。
比類なき、最高の35mm単焦点レンズ
上でも書いた事の繰り返しになりますが、本当に最高のレンズだと今でも思っています。
その描写力、解像力は他のレンズとは比べるまでもなく素晴らしく、余す事なく描き切る最高のレンズ。
縦写真を二枚並べましたが、光と影の描き分けではこのレンズの右に出るものは無いのでは無いかと思うほど。ツァイスレンズはどれも光の描写が美しいのですが、Distagon 1.4/35 ZMではその性能が際立っている気がします。
という話は次の項でゆっくりお話しますか。
ツァイスレンズの描く光の描写
これはもうカールツァイスのレンズ全般に言える事ですが(実際毎回言っていますが)、光の拾い方が秀逸そのもの。
差し込む光も、柔らかい光も見たまま、それ以上に美しく描いてくれるのがツァイスレンズです。
アンダーでもハイキーでも、現代ツァイスならではの解像力から来る発色の良さや艶やかさは健在。少し彩度を落とさないとギラついてしまうくらいには最高の色乗りをしてくれます。
同じ場所で撮った昼と夕方なのですが、どちらも本当に綺麗な光。その時感じた気持ちをそのまま写真に反映してくれるのは、このレンズだからこそ出来た事だろうな、なんて思うわけです。
こんなにもたくさんの光を拾ってくれて、ツァイスレンズの良いところを全て引き出した様なレンズ。いいレンズだなぁ。
ツァイスレンズの描く、水の描写
光の描写ともうひとつ推しておきたいのが、水の描写。質感、って言ったらいいんでしょうか。これもツァイスレンズ全般に言える事ですが、水気のある写真であればツァイスレンズ。Distagon 1.4/35 ZMもその系譜を受け継ぐレンズだと思います。
ちょっと色が青々しい気もするのですが、これは南房総の海が綺麗すぎて透き通りすぎるので仕方ない。じゃなくて、この水の質感すごくないですか。
水の中に煌めく光がキレイに写るからだと勝手に思っているのですが、艶かしいほどの質感を感じたのはマクロプラナーとこのレンズだけです。いいよ。
スナップにも最高の一本
コンパクトなサイズ感が生み出す持ち出しやすさ。携帯性の良さはスナップ撮影にも最適な一本。
Mマウントの他のレンズと比べたらかさばる事は間違い無いのですが、通常のミラーレスや一眼レフに装着する事を考えると十分にコンパクトなサイズに収まっています。
普段撮らない様なこんな写真も、スナップだと自然と撮りたくなってしまうし、思ったままの写りをしてくれるのがこのレンズ。Distagon、最高ですよね。
これはテーブルフォト?普段あまり撮らない僕からするとこれもスナップなのですが多分テーブルフォト。
そのままの白を白く写すのって難しいんですよね。よく撮れてる。自画自賛したい。
気負わずに撮る娘の写真も、キレイに映してくれるレンズ。
パパカメラマンとしては、気軽に撮った写真がこれだけ写ってくれるなら最高のレンズだと思うんですよ。天使が天使の如く写るレンズっていいですよね。最高。
ポートレートにも使えるレンズ
ポートレートを撮るにもこのレンズは最高。なるほど、最高ってこういう事なのか。最高だ。
ポートレートと言えば中望遠なイメージがありますが、十分にポートレートもこなせるレンズ。特に僕の様に風景と人を絡めて撮りたい人なんかには使い勝手の良いレンズなのでは無いかと思います。
このレンズを使っていて、自分史上最高の一枚がこれ。ちょっと高台だった事もあり霧がかかっていたのですが、霧の質感はそのままに、風景をきっちりと描写してくれる。ここに来るまでになんども繰り返してきましたが、本当にいいレンズだよなぁ。
ちょっと、というか全然ピンボケな写真なんだけど、すごく好きな一枚。ピントなんて飾りですからね。帰り際の次女ちゃんにピントなんて合うわけないですからね。かわいい。
サブカメラ専用のレンズとしてのDistagon 1.4/35
最高の35mmだぜ!なんて言っていたのですが、ここまでに紹介した写真は全てFUJIFILM X-T2に付けて撮影したものなんですよね。つまり換算50mmのレンズ。
もうここ数ヶ月の間ずっと、メインのカメラに装着する事はありませんでした。
それはFUJIFILMの他のレンズを持っていなかった事も理由のひとつなのですが、何よりもこれ。
この記事で唯一、Z7に装着した時の写真がこれ。このエグいほどの周辺減光。Zマウントが大口径にしてもこんなに落ちるものなのかと。
周辺落ち自体は大好物なのですが、ここまで来ると手に余ってしまったのも事実。
実際、これ以降はずっとFUJIFILMのX-T2に装着して利用していました。
もちろんすごく良いレンズで、これ以上ないほどに写りは至高。X-T2に付けている分には周辺減光なんてもちろんありませんし、FUJIFILMと合わせた時の写りの良さは格別なのも事実。
それでも、「何故手放したのか」を端的に答えるのであれば「サブカメラ専用にするにはもったいなかったから」の一言に尽きます。
購入した当初の目論見としては
- 大好きな35mmを最高のツァイスレンズで
- サブでAPS-Cに付けたら50mmの扱いやすい標準レンズに
という2つをこなせる一本だと思ったからこそ。
結果、APS-Cに付けた時の50mmというのは想定以上の結果を出してくれたのですが、メインカメラでは使わないレンズになってしまったんですよね。
20万円近くもする最高のレンズをサブカメラでしか使わない。という現状にもったいない気持ちが生まれてしまった。
手放す事を決めた大きな理由のひとつ、というかほとんどがこれです。
システムを見直したい
手放すにあたり、色々と考えました。
じゃあFUJIFILM X-T2につけるレンズは何にするのか。そもそもX-T2が必要なのか。本当に色々考えました。
今の気持ちとしては「突き抜けた性能の一台のカメラと、手軽に使えるサブカメラ」の構成がいいのかな、なんて考えてます。
手軽に使えるサブカメラとしては、GR3がほしいよねって先日記事にした通り。
Makro-Planar 2/100に魅せられて、メインカメラに中望遠を付けている事が多い僕としてはサブカメラは広角寄りがありがたい。
サブに換算50mmを付けたX-T2を持ち続けるよりは、この構成がいいのかな、と思ったりするんです。
ちょっと後悔してる
そんなわけで、Carl Zeiss Distagon 1.4/35 ZMを手放しました。
ここまでに、今まで撮った写真を振り返って、記事を書いて。手放した事を少し、いやだいぶ後悔してます。
それくらい本当に気に入っていたレンズ。かなり悩みましたが、大切に使ってくれるであろう、気の合う友人にそのまま譲りました。きっと末長く使ってくれるはず。
いつか僕がM型ライカを買う事になれば、間違いなくもう一度買い戻すレンズ「Carl Zeiss Distagon T* 1.4/35 ZM」。
ちょっと寂しいけど、またその時まで。