こんにちは。しむ(@46sym)です
一年ほど前に「NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2」というレンズを購入しました。ジャンクで15,000円ほどだったのですが、まあ相場よりちょっと安いくらいなのではないかと。
大口径レンズは見た目だけでワクワクするので事前情報もなく購入したレンズだったのですが、改めて調べてみると1965年発売のレンズ。もう60年近く前のレンズということになります。
60年前のレンズを現代の中判デジタルで使う。そんな遊び心満載ですが、これが予想以上によい写りをしてくれました。
基本的に中望遠大好きで普段はGF110mm付けっぱなし。なのであまり作例はないのですが、本当にとてもとてもよきレンズだったので、せっかくなので少し紹介しておこうと思います。
GFX × NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 の作例写真
このレンズ、GFX 50SとGFX 100Sそれぞれに装着して使ってみたので、ボディごとに作例写真を紹介したいと思います。
GFX 50S × NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 の作例写真
購入当初のショット。この光の写り方でこれはもう常用レベルだなと確信を得た。
よくないですかこれ。もう優勝でしょう。
バリバリの逆光でも美しい…
等倍で見ると解像しきっていないというか、ピントピークがどこにあるのか分からないくらいだけど、こうしてみると全体の画は成立してるじゃないですか。これくらいがちょうどいい。
よい光にマニュアルフォーカスでピントを合わせるのが楽しくなる。良いレンズの証みたいなところある。フリンジ出てるけど全然許せちゃう。
雪の日の夜。ほとんど光が無い様な暗い場所での撮影も、F1.2という大口径レンズが支えてくれる。
何年写真撮ってても詳しいことは分からないんだけど、このレンズには独特の空気感があると思う。なんでか全然分からないけど、感じるものがある。
どこか懐かしい、ノスタルジックな写り。すきです。
ボケはグルッてる。というかこんな古いレンズで周辺の描写とか気にしちゃいけない。雰囲気で感じて欲しい。
この写り、中判っぽい質感ある。あるよね?ちなみにこんなにも質感ある描写なのに、これも等倍ではあんまり解像してない。
これも前景の質感がつよい。全体的に背景ボケはザワつくので背景整理した方が良い感じに仕上がりそう。
こういう写真好き。
ピントどっか消えた
こういう何気ない写真がこの写りで撮れるってすごくいいよね。それにしてもこの写真見ると周辺だいぶ無理してる感が出てるなあ。
GFX 100S × NIKKOR-S・C Auto 55mm F1.2 の作例写真
実はGFX 100Sを購入してから、このレンズはあまり使っていなかったりします。
画素数が増えた分ピントをシビアに感じたりだとか、像が緩く感じたりとかって理由を無理やり用意することもできるのですが、単純にカメラを持つ機会が減っていたのと、GF110mmが優秀すぎるってだけです。
ネコは正義。
このあたりからエテルナの素晴らしさを知った。映像用な印象あったけど、スチルでも全然いいじゃん。
ノスタルジックな街並みには本当にオールドレンズが似合う。この家とこのレンズ、どっちが先に生まれたんだろうか。
これもいじってるけどエテルナベース。最高だなみんなエテルナ使おうぜ。
ピントにはさよならしちゃったけど、エテルナいいじゃないの。ピントなんて飾りか。
ここまでの写真全部そうなんだけど、四隅は若干ケラレてる感じする。
右下ドアップにしてみたけど、やっぱこれほんの少しケラレてるよね。減光なんてレベルじゃなくて完全に死んでるよねこれ。
とは言え広告写真撮るわけでもなし、そもそもプロでもないし、好みの写真が撮れるなら十分じゃないですかね。味ですよ味。
どこか懐かしい写りをしてくれるレンズ
やはり60年前のレンズだけあって、解像力という面で見ると現代のレンズには及ばない点があるのは間違いないと思います。いや、個体差なのかもしれないけれど、それこそ60年前のレンズなので結構みんな同じような状態なのではないでしょうか。
でもこういうレンズを使うと、写真って解像感が全てではないよなと思わされます。
ピントが合っていなくても、像が多少ゆるくても、画が成立するというのはオールドレンズならではの魅力。
60年前のレンズが現代デジタルで蘇る。フルサイズはもちろん、中判でも使える良いレンズです。中古なので巡り合いもありますが、見かけた人はぜひ手にとって欲しい一本です。