FUJIFILMのレンズ交換式カメラ、Xシリーズを所有している方であれば、一度は聞いた事があるであろうレンズがこの「FUJINON XF35mmF1.4 R」。
2012年2月18日発売と古いレンズですが、描写力の高さから根強いファンも多く、神レンズと呼ばれておりフジノンレンズの中でも最高峰の人気を誇る換算50mmの単焦点レンズです。
一度手放したが忘れられず再購入した、なんていう話も聞くほどのこのXF35mmF1.4。もちろん僕も3回くらい買ってます。
改めて写真を振り返ってみたのですが、本当に良いレンズ。
FUJIFILM Xマウントのカメラをと共に、まず手に入れたい一本。そして上がりの一本になり得るレンズです。
このレンズで撮った写真も多数掲載しておくので、ぜひ読んでいってください。
FUJIFILM XF35mmF1.4 Rの所感
スペック表みたいな定形のスペックは置いておくとして、体感で感じる部分を。
AFは遅くてジーコジーコする
全群繰り出し式といってレンズ全体がギコギコと動く仕組みのオートフォーカスは、それはもうゆっくり。かつ結構うるさい。動画を撮る人には厳しいやつですね。
普段MFレンズを使っている僕の方が速いんじゃないかってくらいで、これにAFを期待するのはちょっとあんまりよろしくないかもしれない。
X-T3以降のボディに合わせるとボディ側の性能で引っ張り上げてくれてAF速くなってる!なんて話だけど、僕は触った事がないので、このレンズのAFには遅い印象しかないです。
防塵防滴じゃない
このレンズについている特別な機構といえば絞りリングがついているくらいのもの。もちろん防塵防滴もありません。
防塵防滴がついててAFも速くてシャープな写りをする同じ35mm(フルサイズ換算50mm)のレンズにXF35mmF2っていうのがあるので、高性能なレンズを求めるならそっちを買うべきかもしれない。(しかも安い)
全部どうでも良くなる写りの良さ
写りが良いって言うのはすごく抽象的でどういうレンズが写りが良いのかって話になっちゃうんだけど、個人的にはMTF曲線がとか収差がとかそういうのはあんまり気にしてなくて、結果好みの写真が撮れれば良いレンズだと思ってます。
なんて言うと身もフタもないのでちょっと考えてみたけど、やっぱり光をキレイに拾ってくれるレンズが好きなんだろうなぁ、と自分の傾向を見ると思うわけです。
柔らかい光も、強い日差しも、うまい具合に捉えてくれるレンズってすごく好きだなあと。
「エモい写りをする」なんて表現を良くされているレンズですが、本当にその表現がぴったり。
手ぶれ補正が入っていないのも、全群繰り出しでAFが遅いのも考え方によってはデメリット。でもそれは全部画質を向上させるための施作なんですよ。
レンズの性能を犠牲にして画質向上を目指したレンズ。って考えるとすごく良い感じじゃないですか?
実際良い写りをしてくれるレンズだと思います。
拙い作例も多いけど、ぜひ続きで写真を見ていってください。
FUJIFILM フジノン XF35mmF1.4 Rの作例写真
僕が初めてFUJIFILMのカメラを手にした時の一本もこのレンズでした。2年前くらいかな。
当時撮った写真を今見返すと恥ずかしい部分も多々あるのですが、これはこれで懐かしいので少しずつだけ載せておこうかなと。
薄暮れの優しい空が綺麗だったので。
暗い時間に撮ってもこんなに質感もはっきり出るんだなと思って感動した記憶。おめめもキラキラしてるし。
激しいゴーストもいい感じの絵にしてくれる、エモいレンズって感じ。
この写真、開放F1.4での撮影なんですけど、遠景はよく解像する印象。
ハイキーでもこんなに柔らかく光を拾ってくれるのに、何かこうしっくりこなくて手放してしまったんですよね。(ボディもレンズも)
FUJIFILM フジノン XF35mmF1.4 Rで撮るスナップ
ここからは少し時間が開いて、改めてこのレンズを購入した時に撮った写真を。
スナップなのか風景なのか分からない様な、中途半端な写真を撮るのが好きです。
前景も背景もザワザワした、ちょっと意地悪な構図で。前ボケがごちゃっとしてるけど色はキレイに出てるし好き。
色鮮やかな桜もいいけど、こうしたしっとりとする色遣いもまた良いですよね。背景はやっぱりざわつく傾向にあるので中距離の背景は整理する様に気をつけた方がいいのかも。
基本的には開放大好きマンなのでこういう構図も開放で撮りがちなのですが、まぁなかなかまぁまぁいいんじゃないですかこれも。
何も考えずに開放で撮ったっていいじゃない。これだけキレイに写るんだもの。
F8くらいまで絞るとこんな感じ。
F5.6で手のひらも花も良い具合に。この質感はザ・富士フイルムって感じする。
こういった艶かしい質感が出るレンズが好きなんですよね。よく使うツァイスレンズもそうですが、こういう質感がそのまま伝わるレンズは個人的には良いレンズです。
グッと絞って、ググッと彩度を上げて。普段こういう写真は撮らないけど、それぞれの色をこれだけ描き分けてくれるとこういう写真も悪くないな、と思ってしまいます。なんだかポスターみたい。
家の中でも使えるレンズ。屋内で使うにはちょっと狭いレンズかなって思われがちですけど、屋内で使う換算50mmはいいですよ。何が良いって汚いところを写さなくて済む。
普通の家はそんな部屋中いつもキレイにしてるわけじゃないんだから、いいんですよ画角は狭くて。
FUJIFILM フジノン XF35mmF1.4 Rで撮るポートレート
ポートレート!って言いたいんですけど、このレンズではあんまりポートレートを撮ってませんでした。
街中を家族で歩きながら撮る事がほとんどだったので、スナップみたいな写真を撮りがちなんですよね。
シーソーに乗りながら片手で撮影してもこんな感じ。全然惜しくもない感じでピントきてないんだけど、こういう写真が気軽に撮れるっていいよね。AFっていいよね(マニュアルレンズ大好き)
ちゃんとポートレートらしいポートレートを撮ったのはこの日くらい。友人と出かけて、その時に借りたのがこのXF35mmF1.4だったんですよね(既に手放してた)
全然違うレンズで撮ってたつもりなんだけど、帰って撮影情報見てびっくりした写真。髪の質感、肌の質感、服の質感。全部めちゃくちゃしっかり出てるじゃない。神レンズだわこれは神レンズ。
こうやって柔らかい写りをしてくれるレンズ好きなんですよね。これ撮った時は「あ、このレンズ買おう」って思ったものです(まだ買ってない)
FUJIFILM XF35mmF1.4 R 初めての一本にも。上がりの一本にも。
新品でも5万円台で購入できるという価格設定に加えてこの写りの良さ。
初めての一本として購入してももちろん満足できるし、いろんなレンズを使っても最終的に戻ってきたくなる一本だと思います。
僕自身、縁あって改めてXマウントのカメラを手元に置く事になりました。
まだレンズは購入していないのですが、きっとこのレンズを買うんだろうな、と。
初めての人にも、最後の一本を求める人にも。良い出会いになるレンズだと思いますよ。