【レビュー】FUJIFILM GFX50S で9ヶ月撮り続けて感じたメリットとデメリット

こんにちは。しむ(@46sym)です

富士フイルムのデジタル中判ミラーレス「GFX 50S」を購入してからいつの間にか9ヶ月が経ってました。光の速さでカメラを売却する僕にしては素晴らしい快挙です。

2月末頃から外出自粛が始まった事により撮影枚数も多くはないのですが、それでも6000枚ほどの写真を撮ってきたみたいです。

まだまだ長期使用と言うには短いのですが、ひとまず感じた事を残しておこうかなと思います。

目次

FUJIFILM GFX50Sで感じたデメリット

なかなか飛び抜けた高級モデルに位置する富士フイルムのGFX 50Sなんですけど、それなりにデメリットもあります。というかデメリットは多いです。ちょっと心して読んでいってください。

AFが遅いし迷う

僕が今までに使ってきた純正レンズはGF63mmとGF110mmの2本。どちらもAFに期待しちゃいけません。

ボディの価格が20万円そこそこのNikon Z6やSONY α7IIIなんて瞳AFもガツンと聞くし、AFボタン押したらシュピピッッッッ!!!!!って感じでピント合うじゃないですか。

GFX 50Sって新品で67万円、中古でも40万円とかするんですけど、「シュィ〜ンン……ピピッ!」な感じなんですよ。しかもちょいちょいピント合ってないんですよ。

最近のカメラのAFって像面位相差AFって言うやつでいい感じに早いやつなんですけど、GFX50Sに搭載されているのはコントラストAFっていうちょっと遅いやつなんですよね。センサー大きいと難しいみたいです。

AF早い中判ミラーレスがいい!って言う人は上位モデルのGFX100を買うといいですよ。あっちは位相差AFで中判センサーでなんなら手ぶれ補正もついてるしきっといい感じです。触った事ないけど。120万円するけど。

AFは遅い。MFレンズ使おうぜ。

連写もあんまり得意じゃない

センサーが大きいから仕方ないと言えばそれまでなんだけど、連写可能枚数は3コマ/秒。ド肝抜かれるくらい遅い。

連写って使わない人は使わない機能だと思うので気にしない人も多いと思うんですけど、僕は割と多用して後から厳選する派。なので知ってはいたけど不便な感じは否めないんですよね。

上で書いた通りAF速度と精度の問題も相まって、子供の運動会で走ってる姿を連写してジャスピンみたいなのは夢物語です。夢を描くのは必要ですが現実を直視するのは大切な事だと思います。

現実を見ましょう。連写は期待できない。

ボディ重い。レンズも重い。

重いよ。ほんと重い。

僕は移動は車だし思いカメラでも気にしないんだけど、たまにフォトウォークとか参加するとやっぱり重いもの。

ボディはEVF込みで920gあるし、レンズだって換算85mmの単焦点で1010g。1キロ超えちゃったよ。

ミラーレスなんですけど、フルサイズ一眼レフの上位モデルに大きめのレンズを付けてるくらいの重量だと思ってもらえれば分かりやすいかなと思います。

手に握ってる時はそんなに気にならないんだけど、カメラバッグに詰めてショルダーなんかで持ってるとあっという間に肩が痛くなるくらいにはヘビー級。

GFXは重い。リュックにしような。

レンズが高い

これはもうかなり大きなデメリット。

純正レンズで考えると、一番安い単焦点レンズで12万円。換算50mmの標準単焦点で17万円。F4通しの標準ズーム(ズーム域はフルサイズレンズより狭い)が26万円だし、F5.6通しの望遠ズーム(ズーム域はフルサイズレンズより狭い)でも24万円。

広角単焦点も中望遠単焦点も30万円オーバーだし、望遠単焦点に至ってはほぼ40万円。

しかもラインナップも限られているので、ちょうど良い広角レンズってなくて、超広角になってしまうんですよね…

「久しぶりに風景とか星とかも撮りたいな」なんて思ったんだけど、それを叶えてくれるのは換算18mmの30万オーバーのレンズしか選択肢がないという有様。

レンズに体を合わせる強い気持ちが必要。レンズ高い。

FUJIFILM GFX50Sで感じたメリット

ここまで全力で欠点になる部分を見てきましたが、もちろんメリットだってたくさんあります。じゃなきゃこんなお高いカメラ長々と使えません。

こちらもゆっくり読んでいってください。

類稀なる描写力

本当にハッとする、息を飲むほどの描写力。

撮った瞬間からアドレナリンが出る様な最上級の写りは、このカメラを手にするまで経験がなかったほど。

この写真ではプライバシーに配慮してだいぶシャドウを潰していますが、RAWデータで見るとその情報量は本当に圧巻。「あ、それ潰れないんですねはー」みたいな気持ちになります。

センサーサイズの大きな中判ミラーレスだからこそ、こんなにも質感が残るんだなと本当に感動しますからね。是非一度触れてみてほしい。

明るいところも、暗いところも、本当に良い雰囲気で切り取ってくれるんですよね。自分の腕のなさを全てカメラがカバーしてくれる感じすらあって、僕自身これでいいのかなってくらい成長できる要素がないんですけど、本当にカメラ任せで凄まじく良い写真を残してくれるカメラだと思います。

抽象的な写真を撮っても印象深いものにしてくれる。

これこそ類稀な描写力がもたらす恩恵の一つじゃないでしょうか。

圧倒的な描写力

他の追随を許さない、圧倒的な描写力。

標準画角のレンズでこれだけの立体感を出せるのは、中判センサーならではじゃないですかね。詳しい事は僕には分からないんですけど。

純正レンズは高くて、ほとんどMFレンズを使って撮ってたんだけど、やっぱりマクロプラナーとGFX50Sの組み合わせは鉄板。ピントは惜しくも残念な感じするけど、深みのある写真を出してくれるのは本当にこのカメラを買ってよかったなと思わせてくれる。

土地柄というか、撮影場所に困ったらとりあえず海に出るくらいには海が身近な人なんですけど、こうした一面の青でも、いろんな青を出してくれる。この色と質感は本当に圧倒的。

良いカメラ、良いレンズって光を綺麗に拾ってくれる事が重要だと思っていて。

その点もやっぱりGFX50Sは優れてるんですよね。もちろんレンズの力も大いにあるのですが、やっぱり階調豊かな大きなセンサーというのは、それだけでも優れた描写力を発揮するんだと思います。ここら辺だいぶ適当に言ってるのであんまり自信ありません。聞き流してください。

これまでにもそれは素晴らしいカメラをたくさん使ってきたんですけど、こんな質感の写真は一度も撮れた事がなくて。本当に圧倒的な描写力ってこう言う事なんだなと、シャッターを切るたびに思うわけです。

唯一無二の描写力

何物にも代えがたい、唯一無二の描写力。

このカメラでのファーストショットがこれなんだから、もう手放す事なんて出来ない。完全に唯一無二。

このカメラを買ってから、なかなか友人とも会えなくなってしまって。最後に家族以外の人を撮ったのは2019年だなぁなんて思いながら振り返っていたのですが、これがまぁなかなか以上に良い写りをしてくれてるんですよね。

フォトウォークって普段撮らない被写体だったり、自分のリズムとは違う撮影だったり、新たな経験があるんですよ。そんな場所に初めて持って行ったカメラでも自分の実力以上の写真を撮る事ができると言うのは、唯一無二のカメラを抱えてるんだな僕は、と実感するタイミングでもあるのです。

もちろん、GFXを持っていると言う事で所有欲が満たされると言うのはあります。それでもカメラは使ってこそですから。ずっと使いたいと思わせてくれるカメラって、所有欲だけでは足りないんですよ。

大きくて嵩張るんだけど、真剣に撮りたい時も、散歩の時も、いつでもこのカメラで撮りたい。そう思える描写力を兼ね備えたカメラって本当に唯一無二の存在になり得るものだと思います。

結論:FUJIFILM GFX50Sは素晴らしい

メリットを3つも挙げてしまいました。しかもかけがえのない様なメリットを3つです。

写真を撮る上で重視する事って人それぞれだと思うんですよね。

解像度が高くて等倍で眺める事に満足する人もいれば、重いカメラは持ちたくないのである程度コンパクトじゃないとダメな人、ポケットに入る様なカメラで日常を記録したい人。それぞれの意見があると思います。

僕の場合求めるのはただただ描写力。重くても構わない、多少不便でも許すから、とにかく良い写りをしてくれるカメラが僕の中の「良いカメラ」なわけです。過去2年で40回近くカメラを買い換えて気づいたのがそれかと言いたくなるくらい単純な話でした。

GFX 50Sはまさに僕が求めるカメラで。不便な所はもちろんたくさんあるんですけど、それを補って余りある、かけがえの描写力を持ったカメラなんです。

正直なところ、フルサイズミラーレス買って大三元レンズを揃えた方が便利でいいかなって思うこともたまにあるんですよ。

昨日ちょっとだけ、ほんとちょっとだけ現金の塊に見えてしまって。ニコンのZシリーズのキャッシュバックが始まったからとかじゃなくて。いやほんと魔が刺したというか。

ええ、もう全然揺らいだりしてないですよ。何度も見てるうちにNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sがかっこよく見えてきたとかそんなことないですよ。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング

瞳AFでバチッとピントも決まって、追従精度も文句なしで、綺麗に撮れて。フルサイズで何がダメなの?って思う時もあるんですよ。

でも、自分で使って、自分の撮った写真を見ると分かると思うんですけど、すごいんですよ。一度体感してしまうと戻れないほどの写りを見せてくれるんです。自分が撮ったとは思えない写真が量産されるわけですよ。

そうそう簡単にAFも決まらないし、レンズ揃えるのも大変だし、めんどくさいカメラだけど、写りは間違いなく一級品。

たまに魔が刺すこともあるんだけど、長く使いたいなと思わせてくれるカメラです。

カメラとしての機能とか、モノとしての良さとかそう言ったレビューはまた1年使った時にでも改めて。

本当に、他に代わりの効かないカメラだと思います。FUJIFILM GFX 50S 最高峰のカメラだと思いますよ。

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この記事を書いた人

千葉県内で写真を撮りながらブログを運営してます。
スナップ、風景、ポートレート、ブツ撮りなど、ジャンル問わず幅広く撮影中。
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