年末頃、GFX Gマウント用の標準レンズとして一本の単焦点を購入しました。
選んだのはFUJIFILM純正の単焦点レンズ、GF63mmF2.8 R WR。
(GFX用のレンズの中では)お手頃価格で使える標準単焦点。入手しやすいレンズの割に、価格以上の価値を生み出してくれました。
他のGマウントレンズを使った事がないので比較のしようがないんだけど、かなりコスパに優れたレンズだと思います。
ぜひ、見ていってください。
ちなみにこのレンズ、中古が多く出回っていて値段もだいぶ下がっているので中古がオススメ。僕も中古で買いました。
合わせて使ったボディはこちら
FUJIFILM GF63mmF2.8 R WRのスペック
公式サイトを見れば全部載ってる情報なんですけど、いちいち飛ぶのもめんどくさいと思うのでここにもスペック表を置いておきます。
型番 | フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR |
レンズ構成 | 8群10枚(EDレンズ1枚) |
焦点距離 | 63mm (35mm判換算:50mm) |
画角 | 46.9° |
開放絞り | F2.8 |
最小絞り | F32 |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) / 1/3ステップ(全22段) |
最短撮影距離 | 50cm |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
サイズ | ø84.0mm / 長さ:71.0mm |
重量 | 405g |
フィルター径 | ø62mm |
こういう客観的なデータに関しては公式サイトを見るのが最も間違いない情報ですので、そちらもリンクしておきます。活用してください。
参考 主な仕様 | フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR | Lenses | 富士フイルム Xシリーズ & GFX
ここからは個人の見解たっぷりでお届けします。
FUJIFILM GF63mmF2.8 R WR レビュー
GFX 50Sに装着するとこんな感じ。センサーが大きい分レンズも太く大きくなっていますが、見た目ほどの重さは感じません。
焦点距離63mmというのは、35mm判フルサイズ換算でだいたい50mm。つまり標準域の焦点レンズ。最近あんまり使わないけど、何事にも使いやすい万能な画角のレンズです。
最大絞り値はF32。こんなの初めて見たし実際使う機会もなかったんだけど、GFX50Sはシャッタースピードが1/4000までしか出ないので、絞れる方が良いに決まってるよね。使った事ないんだけど。
レンズは少し奥まった形状で、前面には文字のない仕様。ツヤッツヤで惚れる。
レンズ情報は先端側面に。 FUJINON GF LENSですよ。リッチな感じしちゃうよね。
絞りリングについている赤い線の入ったボタン。F32からA、AからCへリングを移動する時はこのボタンを押しながらリングを回さないといけない様になってます。気付いたら絞りオートになってしまった、なんていう事がない様に配慮された設計は素晴らしい。
レンズ単体で見るとコロッとしててかわいいんですよ。ギリギリで手のひらサイズみたいな感じでかわいいんですよ。ギリギリだけど。
フードをつけた形がイマイチで好きじゃないので普段は付けない事が多いかも。
何よりも不満なのがこれ。フードをひっくり返すとピントリングがマルッと隠れちゃうんですよ。フードをひっくり返したままの撮影が不便すぎて、普段からフードは持ち歩かない派になってしまった。
フードは内側も外側もプラスチック感溢れるやつになってます。比較的お高いレンズではあるんだけど、フードはチープな感じがちょっとだけ溢れてる。
取り回しの良い標準レンズ
重量405gというGFX用のレンズの中では圧倒的に軽量なレンズ。コンパクトなサイズ感も相まって、必要以上な重さを感じる事はありません。
標準単焦点と考えると少し重いかもしれないですが、中判ミラーレス用のレンズとしては抜群の軽さ。鏡筒も長くないので手元への収まりもよく、取り回しの良いレンズに仕上がってると思います。
防塵防滴に対応
最近ではだいぶ減ったのですが、以前は過酷なシーンでも平気で撮影に行っていたので防塵防滴はありがたい。
先日友人と雨の中撮影に行ったのですが、普段使いのMFレンズでは傘もさせないので、そういう時には本当にこのレンズ持っててよかったなと。
個人的には海辺で撮影することも多いので、気に入ったレンズが防塵防滴対応してなかったりすると結構ヘコみます。世の全レンズは防塵防滴対応したらいいのに。
AFは遅い。ジーコジーコする
そもそも僕の使っているGFX 50Sは位相差AFは搭載しておらず、全域コントラストAFになります。その為もともとAFには期待していないのですが、やはりと言うかなんと言うか、AFは早いものではありません。
富士フイルムユーザーの方であれば、同じFUJIFILMの名玉と言われるXF35mmF1.4。あれのGFXバージョンだと思ってもらえると、知ってる人には分かりやすいかと思います。
と言ったものの、高速で正確なAFが欲しいのであれば他のカメラを使うのが正解なのは分かっていた事なので、僕自身はあまり気にしていません。もちろん早いに越した事はないんだけど、ある意味AFは諦めてる所ある。
FUJIFILM GF63mmF2.8 R WR 作例写真
ここからは少しだけ、今までにこのレンズで撮った写真を掲載しておきます。オートフォーカスべんりー、なんてやってたら上の写真みたいにピントあまあまの写真もそこそこ出てるんだけど、大目にみてあげてください。
初めてこのレンズが届いた日に、近くを散歩しながら。
これは開放F2.8で。花びらの柔らかい質感がそのまま表現されててちょっとすごいレンズだなと思ったやつ。
同じ構図でF8まで絞って。背景が離れてれば十分にボケるし、そもそも開放F2.8なのにボケすぎるくらいボケるし、中判ってこういうものなのかと。こわいよね。
正直な気持ちを言うと初日に使った感想はあんまり好ましい印象ではなくて、久しぶりに使う標準域はどう扱ったらいいのか分からないし、思った様な写りにならないし、なんかもうこのレンズどうしようかなって思いながら撮ってた。
その後持ち出した紅葉で一気に印象が変わったけど。雨の中でも振り回せるレンズで、片手でも撮れるAFついてて、こんな質感で写してくれるのってちょっと感動したよね。
雨の中で絞れなかったんだけど、水面の波紋とかこんなに精細に残しつつ、水に沈む紅葉もその柔らかさを残してて。いつも無理やりフルサイズ用のレンズを使ってるんだけど、やっぱり純正レンズは違うんだなって。
開放で思いっきり前ボケを被せたトンネル構図でも、かろうじて合焦してくれるAF。頼りないけど、頼りにしてるからもう少しがんばって欲しい。
建造物を撮るとやっぱりこの質感に魅了されてしまうくらいには、すごく良い写りをしてくれるレンズです。
木目の生々しい感じとかさ。たまらないよね。わかるよ。
がっつり絞ったらもうどこまでも見えちゃうんじゃないかってくらい美しくて。
F5.6までしか絞ってないんだけど、すごく細かい所まで描写してくれてて。普段常用している、フルサイズ用のレンズにあたるマクロプラナーでは周辺の描写はもう諦めるしかないんだけど、こんなにきっちり写してくれるんだなぁ。イメージサークルに余裕があるレンズはやっぱりつよい。
50mmって標準レンズっていうだけあって、ポートレートを撮るにもわりといい感じ出してくれるんですよ。中望遠と違って寄らなきゃいけないけど、べったり張り付くほどではないし、自然な距離感で撮影できるのは標準レンズの魅力。
いいよねぇ。
これは少しクロップしちゃったけど。それでもこのピント面の立体感は中判ならではって感じするよね。
FUJIFILM GF63mmF2.8 R WR Gマウントレンズの最初の一本
こんなカメラを買うような人は既に自分の好みは把握してる事でしょうし、好きな焦点距離のレンズを買えば良いと思います。
ただ、安価に購入できるGマウントレンズをと考えた場合、このGF63mmは期待以上の働きをしてくれる事は間違いありません。僕自身、少しでも安く純正レンズが一本ほしくて購入を決めたのですが、本当に想像以上でした。
ほとんどのシーンではマクロプラナー100mmを使っているのですが、たまにこのレンズで撮った写真を見返すと驚くほどよく撮れていたりなんかして。なるほどこれが中判用の純正レンズか、と思わされますから。
比較的手元に置きやすい、GFX用、GマウントのFUJIFILM純正レンズ。最初の一本に、良い選択だと思います。
合わせて使ったボディはこちら